ウェブサイトの目的を達成するためには、まず、目的に適したユーザーを集める必要があります。
そのために重要な要素が、コンテンツです。
コンテンツは、はじめに「どんな人に」、「どんな内容を」、「どんな方法で」の3つのポイントを決めます。3つのポイントが決まったら、「理解」、「抽出」、「構成」、「執筆」、「推敲」の5つのステップhaに沿って、具体的にコンテンツをつくりあげていきましょう。
広義の意味では、コンテンツ制作=ライティングとして捉えることができます。狭義の意味のライティングとは、「構成」、「執筆」、「推敲」として捉えられていることが多いですが、「理解」、「抽出」こそが、ライティングの肝といえます。
このレクチャーでは、5つのステップについて、詳しく解説していきます。
コンテンツ制作のいろは:3つのポイント
コンテンツをつくりはじめるときは、まずは、コンテンツ制作のいろはである、3つのポイントを理解しましょう。
ウェブサイトの目的を達成するコンテンツを制作するためには、コンテンツのテーマやコンセプト、方向性を明確にする必要があります。
テーマやコンセプト、方向性を明確にしないままコンテンツ制作をはじめると、徐々にコンテンツの内容がテーマやコンセプトから離れ、収まりがつかなくなってしまいます。
コンテンツのテーマやコンセプト、方向性を決めるときは、「どんな人(ペルソナ)に」、「どんな内容を」、「どんな方法で発信していくか」、これら3つのポイントを軸に考えてみましょう。
コンテンツ制作のいろは:5つのステップ
「どんな人に」、「どんな内容を」、「どんな方法で」の3つのポイントが決まったら、コンテンツ制作=ライティングをはじめましょう!
「理解」、「抽出」、「構成」、「執筆」、「推敲」の5つのステップに沿って進めていくと、質のいいコンテンツを効率的に作成することができます。
ここからは5つのステップを、ひとつひとつ詳しく紹介します。
コンテンツ制作のためのステップ1:理解
目的を達成するコンテンツとは、自分が伝えたい情報と、ユーザーが求める情報がマッチする内容である必要があります。
コンテンツで取り扱う内容が決まったら、まずは内容を理解するために正しい情報を集めましょう。
自分が伝えたい情報を取り扱う場合、理解度は高いと思われますが、メディアとして情報を発信する場合、発信側が情報を正しく理解していなくてはいけません。間違った情報の発信は、ウェブサイト、ひいては運営者への不信感へつながります。
本、新聞、雑誌、インターネット、インタビュー。あらゆる媒体、手段を利用してリサーチをしながら、情報を整理し、理解を深めましょう。
その情報では何を伝えたいのか、何が要点なのか、スマートフォンのメモアプリや、ときには付箋を貼るなどアナログな方法で、どんどんまとめてみましょう。
情報をまとめながら、疑問に思ったことはさらに深掘りしていき、情報全体の把握から、細部の理解に移っていくことで、より、コンテンツの内容を深めていくことができます。
一次情報と二次情報
情報には、「一次情報」と「二次情報」の2種類があります。
- 一次情報:加工や編集をおこなっていない情報のことをいいます。現場や関係者に直接話を聞いたり、自分自身で体験した情報などが、一次情報にあたります。手間や費用がかかる場合がありますが、高い鮮度と正確性の高い情報を入手することができます。
- 二次情報:加工や編集をおこなっている情報のことをいいます。一次情報をさらにまとめたものなどが二次情報にあたり、インターネットや本、雑誌などがあてはまります。一次情報に比べて、手間や費用をかけずに情報を収集しやすいというメリットがありますが、情報が古い、もしくは、信憑性が低い可能性があります。
特に、誰でも発信ができ、検閲が入らないインターネットの情報は、誤った情報が掲載されている可能性がとても高いです。
運営者に悪意がなくても、誤った情報を掲載することで、ウェブサイトの信頼を失うことになります。信頼を失うことで、ウェブサイトの目的達成が遠のくだけでなく、運営者、または、運営会社の信頼を失い、大きな損失となる可能性もあるため、注意が必要です。
インターネットで情報収集をおこなう場合、掲載されている情報が正しいものかどうか、念入りに確認をおこないましょう。必要であれば、関係者に問い合わせをしてみるのもいいですね。
コンテンツ制作のためのステップ2:抽出
正しい情報を収集したら、その中から、コンテンツに必要な情報を抽出しましょう。
収集した情報を1から10まで、すべて記載すればいいということではありません。
自分が伝えたい情報だけを載せても、ユーザーに刺さらない独りよがりなコンテンツになりますし、ユーザーの求める情報だけを載せても、世の中にある類似したコンテンツと同じ内容になってしまいます。
抽出で大切なのは、コンテンツ制作の3つのポイントを意識すること。
収集した情報から、「どんな人に」、「どんな内容を」、「どんな方法で」のポイントに沿ってエッセンスを抽出しましょう。
コンテンツ制作のためのステップ3:構成
抽出し、整理した情報を、ユーザーに正しく伝えるために構成をおこなっていきましょう。
抽出したことを羅列するのは、ただ情報をまとめただけになってしまいます。「構成」は、5つのステップの中でも念入りにつくり込んでいきましょう。
情報は正しく、わかりやすく伝える必要があります。どんなに正しい情報であっても、伝え方を間違えてしまうと、ユーザーに理解してもらえないだけでなく、誤った情報が伝わってしまう可能性があります。
そのために、構成をおこない、情報を伝える順番を整理していきましょう。
具体的には、コンテンツの見出しをつくるイメージで構成を考えます。コンテンツは、伝えたい話題(テーマ)ごとにパラグラフ(段落)で区切りましょう。
区切られたパラグラフごとに、どのような話題(テーマ)が書かれているのか提示することが、見出しの役割。パラグラフごとの要点をまとめながら見出しを考え、構成をつくりあげていきましょう。
構成は、ウェブサイトという媒体に関わらず、「文章を書く(ライティング)」という観点で、テクニックやルールがあります。
このレクチャーでは、ウェブサイトのコンテンツ制作で役立つ、「ロジカルライティング」と「エモーショナルライティング」の2つの構成を解説します。
- パラグラフ:ひとつの話題(テーマ)のまとまりを指す。1つのパラグラフに対して、1つの話題(テーマ)について書くことが基本ルール。
ロジカルライティング
ロジカルライティングは、論理的でわかりやすく伝えるための文章構成。文章構成の基本になります。
理解してもらいたい、納得してもらいたいときのコンテンツ制作に向いています。
ロジカルライティングの代表的な構成の型に、「PREP法」があります。
「PREP法」は文章構成の基本の型。論文やビジネス書、オウンドメディアやブログなど、あらゆるコンテンツで目にします。
- Point(結論):文章の結論となる部分。コンテンツの内容や、何を伝えたいのかを、はじめに提示します。
- Reason(理由):はじめに提示した結論に至った理由や、背景を説明します。
- Example(具体例):結論に対する具体例や事例を提示し、根拠を伝え、ユーザーを納得させます。
- Point(再結論):最後に、はじめに提示した結論をもういちど提示し、ユーザーへの理解、納得を促します。
エモーショナルライティング
エモーショナルライティングは、コンテンツを閲覧したユーザーの心を動かすような文章構成。
ユーザーへ理解や納得させるというよりは、おもしろい、楽しいなど、興味関心を持たせることが目的です。コンテンツを閲覧したユーザーに、次の行動へ移ってもらうためのコンテンツに向いています。
エモーショナルライティングの代表的な構成の型に、「PASONAの法則」があります。
「PASONAの法則」は、ウェブサイトではランディングページでよく見かけます。他にも、通販番組は「PASONAの法則」にのっとって商品紹介をしている番組が多いです。
- Problem(問題):「どんな人に」の対象となるユーザーが抱えている問題提起をして、ユーザーを引きつけます。
- Affinity(親近感):コンテンツに興味を持ったユーザーが共感するような内容を提供し、ユーザーとの距離を縮めます。
- Solution(解決策):はじめの問題提起に対する解決策を提示。
- Offer(提案):直前に提示した解決策の具体的な内容を提案します。内容は具体的であればあるほど、ユーザーへの説得力が増します。
- Narrowdown(絞り込み):期間や時間など、限定的な内容を提示し、ユーザーへの行動意欲を高めます。
- Action(行動):最後に、ユーザーが購入や登録などの次の行動へ移るような情報を提供し、後押しします。
コンテンツ制作のためのステップ4:執筆
ユーザーに、情報を正しく、わかりやすく伝えるための構成が完成したら、執筆をおこないましょう。
執筆はコンテンツに最も個性が現れる部分です。構成に合わせて、テキストを執筆、画像を作成し、3つのポイントに沿ったコンテンツにつくり込んでいきましょう。
「理解」、「抽出」、「構成」の土台がしっかりとできていれば、文章の執筆もスムーズに進みます。
執筆がうまく進まない場合は、「理解」、「抽出」、「構成」のステップで不足している部分がないか見直しましょう。
執筆には、細かいテクニックやルールが無数に存在します。
このレクチャーでは、代表的な執筆のテクニックを7つ解説します。
執筆テクニック1:文体、表記ルールの統一
語尾のですます調、である調がそろっていない、数字や英字、記号の全角半角が混ざっている、など、文体や表記が統一されていないと、コンテンツを読んでいるユーザーは違和感を覚え、途中で読むのをやめてしまいます。
コンテンツ制作をはじめる前に、文体や表記のルールは統一させておきましょう。
- ですます調、である調をそろえる
- 数字や英字、記号の全角半角をそろえる
- ひらがな、漢字、カタカナの表現をそろえる
- 同じ文末を繰り返さない
執筆テクニック2:一文は短く区切る
一文は長くなりすぎないように、短く区切りましょう。
長文になってしまうと、読みづらいだけでなく、一文あたりの情報量が増えるため、結局何を伝えたいのかわからなくなってしまいます。
では、短文ばかりを並べればいいかというと、そうではありません。短文ばかりが並んでしまうと、コンテンツ全体の流れが悪くなり、読みづらくなってしまいます。
ひとつの文章につき、伝えたいことをひとつに絞ることを意識して文章を書くと、長すぎず短すぎない、ちょうどよい長さの文章を書くことができます。
改行も大切。一文の長さがちょうどよくても、文章が改行されずに続いていると読みづらくなります。テーマや主張が変わったときや、場面転換したときなどは、改行をするようにしましょう。
執筆テクニック3:1センテンス1ミーニング
一文につき、伝えたいことをひとつに絞るように意識をすると、ユーザーにとって読みやすく、わかりやすい文章になります。
一文に情報を詰め込みすぎると、情報量が多すぎて、何を伝えたいのかわからない文章になってしまいます。意図がわからない文章が続くと、ユーザーの心にも刺さらず、コンテンツからの離脱につながってしまいます。
ユーザーが読みやすい、理解しやすい文章をつくるためにも、1センテンス1ミーニングを意識するようにしましょう。
執筆テクニック4:主語と述語ははっきりさせる、ねじれさせない
ねじれている、とは、主語と述語の関係が間違っている状態を指します。
主語と述語の関係が間違っていると、コンテンツが読みづらく、コンテンツ内容を正しく理解できなくなります。主語と述語の関係は、正しいものになるように気をつけましょう。
執筆テクニック5:5W1Hを意識して書く
5W1Hは、物事を伝えるときに使用する基本の型です。いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、なぜ(Why)、どのように(How)、の5W1Hを意識して執筆すると、ユーザーに伝わりやすい文章ができあがります。
コンテンツ制作だけでなく、報告書や企画書の作成など、情報を正しく伝えたいときに役立つテクニックです。
執筆テクニック6:難しい言葉や専門用語を多用しない
ウェブサイトのコンテンツでは、難しい言葉や専門用語は多用せず、読みやすい、わかりやすい文章を心がけましょう。
難しい言葉や専門用語を多用したコンテンツだと、ユーザーは内容を理解することができず、最後まで読まずに離脱してしまいます。
コンテンツの内容によっては、難しい言葉や専門用語を使用することもあるかと思います。その場合は、はじめに言葉の意味を説明するようにしましょう。
執筆テクニック7:レポートトークとラポートトーク
ユーザーの興味関心をひくには、「レポートトーク」と「ラポートトーク」を交互に使用すると効果的です。
レポートトークとは、客観的な事実を述べているものを指します。
主観的な内容は盛り込まず、あくまで事実である情報を述べるため、コンテンツの説得力が増し、ユーザーが納得しやすくなります。
ラポートトークは、自分の考えや感想などを述べているものを指します。
感情的な部分をユーザーに訴えかけることができるため、ユーザーがコンテンツに対して共感を抱きやすく、また、親近感がわきやすくなります。
もっと詳しい内容を学びたい方は、執筆のテクニックやルールの解説に特化した本がありますので、ぜひ参考にしてください。
コンテンツ制作のためのステップ5:推敲
執筆が完了したら、コンテンツの推敲をおこない、仕上げに入りましょう。
推敲は、自分が書いた記事を、「どんな人に」の対象となるユーザー視点で、読み返すことがコツ。
ユーザー視点で文章を見直すことで、執筆時には気づかなかった間違いや違和感に気づくことができます。
少し時間を空けてから読むと、冷静になり、ユーザー視点として文章を見直しやすくなります。
推敲は、ただ文字を眺めるのではなく、音読しながらおこないましょう。
音読は、黙読よりも言葉が頭の中に入ってきます。声に出して文章を読むことで、誤字脱字や、不適切な表現、言葉の違和感などに気付きやすくなります。
音読をするときも、淡々と文字を読むのではなく、全ての文章に疑問を持ちながら読みましょう。
この言葉はどういう意味なんだろう、この表現はどういうことなのかなと、一文一文確認しながら音読すると、推敲の精度が上がります。
時間をおいて音読をしてもユーザー視点で推敲ができない、という方は、第三者にチェックしてもらい、アドバイスをもらうのもいいでしょう。
推敲は、ときには思い切って文章を削ることも必要です。
まとめ
不慣れなうちは、5つのステップをもっと細かく分けて、コンテンツ制作を進めてみるのもいいでしょう。逆に慣れてくると、ステップをまとめることもできます。
コンテンツ制作の方法に正解はありません。今回紹介した5つのステップを、ご自身で使いやすいようにカスタマイズして、コンテンツ制作に活用してください。
チーフエディター リサ
横浜市在住。 学生時代よりウェブメディアを複数運営していた経験を生かし、株式会社Lippleで編集長として勤務。ライティングだけでなく、ウェブサイト運営・分析も行う。年間100本以上の映画鑑賞がライフワーク。ピカチュウが大好き。
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